『伝染歌』 [映画レヴュー【ホラー】]

『伝染歌』 2007 日本 http://www.densen-uta.jp/
監督:原田眞人 『魍魎の匣』
企画・原作:秋元康
出演:松田龍平 伊勢谷友介 阿部寛 木村佳乃 ほか
★★☆☆☆(AKB48ファンはもちろんだが、松田、伊勢谷ファンも必見か)
『着信アリ』の秋元康が新たに手がけるホラー映画。
1933年にハンガリーで発売され、自殺者が続出し社会問題にまでなった実在の曲『暗い日曜日』をモチーフに、歌えば死ぬと言われる“伝染歌”をめぐる都市伝説を軸に描かれるメッセージ性の意外と強い異色ホラーです。
率直に言ってしまえば、秋元康が手がけるアイドル・グループAKB48を出演させる為の映画かな。
アイドルとホラー映画の組み合わせって実は定番でして、まぁそんな感じです。
とは言え、メインの役者陣は意外と豪華でしたね。
特に主人公陸を演じる松田龍平さんなんかは持ち味を存分に発揮している感じですし、
伊勢谷友介さんも映画の雰囲気に似合わぬ怪演ぷりで見応えばっちりです。
惜しいのは、阿部寛さんと木村佳乃さんが思いのほか少ない出番で残念だったかな。
さて、そんな強烈個性役者陣とは別に、AKB48のメンバーの何人かが主要キャラで出演。
これがまたいかにもな女子高生って感じでこちらも見応えアリなのかな。
と言うように、個性派役者陣とAKB48陣というどうにも不釣合いな2つの流れが存在する。
ところが、これが意外とバランス良く描かれてまして予想外な感じだったな、原田監督恐るべしと言ったところか。
ホラー映画ですので、それなりの要素は存在します。
本作で描かれるのは歌うと死ぬと言われる“伝染歌”。
1930年代に欧州で自殺者が続出し社会問題にもなった「暗い日曜日」という曲がモチーフ。
でもね、これって因果関係が微妙なんだよね。
その当時は欧州は自殺者が多発してもおかしくない状況だったし、この曲が無くても自殺者が多発した可能性は否定できない。それでも、日曜日に自殺するという内容のこの曲が少なからず自殺者の後押しをしたかもと示唆は出来る。まぁ結局は都市伝説ですね。
さて、本作では映画のテーマソングにもなってる「僕の花」という曲が自殺ソングになってます。歌うと死んでしまうという都市伝説として密かに話題になっている中、とある女子高生がこの曲を口ずさんで自殺してしまう。友人たちが彼女の死の真相を探ろうと動き出すのと同時に、キワモノ雑誌の編集者である陸と太一もその曲を追いかけるという感じで物語は進んでいく。
作中でも、曲と自殺の因果関係は微妙な感じで描かれている。確かに都市伝説の自殺ソングとして存在はする「僕の花」。しかし、自殺者にもそれなりの理由があるみたいだし、ホラー映画だから微妙なまま終わらないとは思いつつも、大丈夫なのか(ホラー映画的に)とついつい考えてしまうのだが、きっちり呪いオチにしてありました。
ホラー映画的要素とは別に、原田監督なかなか面白いシーン撮ってますね。
特に最初に自殺する女の子の彼氏の部屋のシーンがなかなか面白いです。
ホラー映画的ではないが、監督の作家性が出ていたのではと思いますし、非常に見応えのあるシーンだったと思いますよ。後半にも同じようなシーンがありますが、これはありえるのかって突っ込みいれそうでしたが。
これはホラー映画なのか?
非常にメッセージ性が強くてやや興ざめ。
単純にホラー映画が観たかったのでちょっと引きますね。
確かに描かれるテーマは非常に社会的で問題視していい事柄ではあるが、ホラー映画で描く問題なのかとちょっと疑問です。せっかく単純に楽しめるホラー映画を観に来たのに、おいおいそんな問題投げかけるなよって感じかな。
映画的にはAKB48のメンバーは微妙だが役者陣が良いので悪くない。
メッセージ性もそれ自体は非常に大事な問題ですので問題ないのだが、
ホラー映画としてはやや評価できない気がする。
そもそも歌うと死ぬってさ、やや無理あるんじゃないかな。聞いたら死ぬという方がホラー的には面白味があると思うのだが。







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